ComfyUIのセットアップ

ComfyUIをローカル環境で動かす方法はいくつか用意されています。

  • ポータブル版(推奨)
  • デスクトップ版(インストーラー形式)
  • 手動インストール版(venv + Git / 上級者向け)

ポータブル版は柔軟性もありながら安定しており、誰がセットアップしても似た環境を作り出せるため、このサイトでは基本的にポータブル版を使用していることを想定して解説を書いていきます。

加えて、ComfyUI Managerの導入もここで行いましょう。

これはカスタムノードのインストールなど、ComfyUIの管理を簡単にしてくれるツールです。


ポータブル版によるセットアップ

ポータブル版は、Python、PyTorch、CUDA環境がすべて同梱されており、展開するだけで動作します。

1. ダウンロード

ComfyUIの GitHubリリースページ にアクセスし、GPUに合ったファイルを選択してください。

GPUの種類 ファイル名 (例) 備考
NVIDIA GPU ComfyUI_windows_portable_nvidia.7z ドライバが十分新しい環境では、まず無印を選んでください。起動に失敗する場合は、GPUドライバの更新、もしくは下記の旧ドライバ向け版を使用します。
NVIDIA GPU (安定/古めの環境) cu126/cu128 ドライバを更新したくない場合、または無印版が起動直後に終了してしまう場合に使用します。
AMD GPU ComfyUI_windows_portable_amd.7z AMDユーザー向け。

2. 展開と起動

    1. ダウンロードした 7zファイルを右クリックし、すべて展開で展開します。
    1. 展開されたフォルダ内にある、run_nvidia_gpu.bat をダブルクリックで起動します。
    1. 初回起動時は環境設定に時間がかかります。ブラウザが自動で開けば成功です。

3. ComfyUI Manager の導入

    1. Gitのインストール
    • Git for Windows からインストーラーをダウンロードし、インストールしてください。
    • 設定はすべてデフォルトのままで構いません(Nextを連打でOK)。
    1. インストール場所を開く
    • ComfyUIフォルダの中にある custom_nodes フォルダを開きます。
    • 📂ComfyUI_windows_portable/
      └── 📂ComfyUI/
            └── 📂custom_nodes/
      
    1. ターミナルを開く
    • フォルダのアドレスバー(パスが表示されている場所)に cmd と入力して Enter キーを押します。
    • 黒い画面(コマンドプロンプト)が立ち上がります。
    1. コマンドを実行
    • 以下のコマンドをコピーして、黒い画面に貼り付け(右クリック)、Enter キーを押します。
    • git clone https://github.com/ltdrdata/ComfyUI-Manager.git
      

これで custom_nodes フォルダの中に ComfyUI-Manager というフォルダが作成されれば成功です。 ComfyUIを再起動すると、メニューに「Manager」ボタンが追加されます。


デスクトップ版

Windows向けのインストーラー形式です。ComfyUI Managerがすでに導入されていたりと安定した動作を提供しますが、その分少し制限が多いです。

ダウンロード

    1. ComfyUI Desktopの GitHubページ から ComfyUI Setup.exe をダウンロードします。
    1. 実行し、インストール先やGPU設定を選択します。

手動インストール (Windows, Linux)

標準的な git clonepip を使用したインストール方法です。

Pythonのバージョンについて

  • Python 3.13 が推奨されています。
  • カスタムノードの依存関係で問題が発生する場合は、3.12 を試してください。

1. インストール

まず、リポジトリをクローンし、仮想環境を作成して有効化します。

# リポジトリをクローン
git clone https://github.com/comfyanonymous/ComfyUI.git
cd ComfyUI

# 仮想環境を作成・有効化 (Windows)
python -m venv venv
venv\Scripts\activate

# (Linux/macOSの場合)
# python -m venv venv
# . venv/bin/activate

2. PyTorchのインストール (NVIDIA)

安定版 (Stable):

pip install torch torchvision torchaudio --extra-index-url https://download.pytorch.org/whl/cu130

Nightly (パフォーマンス向上の可能性あり):

pip install --pre torch torchvision torchaudio --index-url https://download.pytorch.org/whl/nightly/cu130

3. 依存関係のインストール

ComfyUIフォルダ内で以下を実行します。

pip install -r requirements.txt

4. ComfyUI Manager の導入

手動インストールの場合も、Managerは必須です。

cd custom_nodes
git clone https://github.com/ltdrdata/ComfyUI-Manager.git
cd ..

イージーインストーラーについて

PinokioやStability Matrix等のイージーインストーラーは、確かに便利であり、複雑な機能を簡単に導入することができます。

しかしながら、間に絡む要素が増えるだけトラブルは増えるもので… 問題が置きたとき何が要因かを突き止めるのが難しくなり、結局初心者の手に負えない場面が出てきます。

ポータブル版を始め、ComfyUIの導入はそれほど難しくないため、シンプルに公式が提供する手段だけで行うことをお勧めします。


参考文献